主な知見

エナギーヴェンデは、ドイツにおける戦後最大のインフラ整備であり、経済を強化するとともに新たな雇用を創出する。

エネルギー転換の経済的メリットは、「現状維持(BAU)シナリオ」で生じる追加コストを現在すでに上回っている。高効率の自然エネルギー経済への転換は、最大2,000億ユーロという大規模な投資を必要とするだろう。自然エネルギーは、従来のエネルギーよりもコストがかかりそうに見えるだけで、実際は次第に安くなっているが、従来のエネルギーは次第に高くなっている。さらに、化石燃料は多額の助成金を受け続けているうえ、化石燃料の価格に環境への影響は含まれていない。エネルギー輸入を自然エネルギーに置き換えることにより、ドイツの貿易収支が改善し、エネルギー安全保障も強化されるだろう。すでに37万人以上が自然エネルギー業界に従事しているが、この数は従来のエネルギー部門よりもはるかに多い。1990年の東西統一以来、失業率は史上最低に達した。自然エネルギーによる雇用は製造業にもあるが、その他の多くは設置業務やメンテナンス業務である。これら技術業務、設置業務、建築業務は現地で生み出され、外注に出すことはできない。こうした雇用のおかげで、ドイツは他の国よりもはるかにうまく経済金融危機を乗り越えることができた。

自然エネルギーは従来型エネルギーより多くの雇用を創出する

しかしながら、ドイツの「グリーン・ジョブ」の就業者数は、主に太陽光発電業界の雇用削減の影響を受けて、2012年、2013年には38万人からわずかに減少した。2015年のドイツ連邦経済エネルギー省の推定では、自然エネルギーによりもたらされる雇用の純増数は、2030年には10万人、2050年には23万人に達する見込みである。