クリーンエネルギー政策

送電系統整備迅速化法

エネルギー転換は、自然エネルギー電力の増加に対処するため、系統の拡張整備と適応を要する。そのどちらも遅れているため、ドイツ連邦議会は、送電系統整備迅速化法を通過させた。しかし、必要な量や場所については合意がなされていない。正式な計画は整っているが、係争中のプロジェクトもいくつかある。

エナギーヴェンデには、適切に機能するインフラが必要である。特に、系統の適応とスマートグリッド化が必要である。現在の系統は、中央発電所から消費者に電力を供給するよう設計されているが、今後の系統はより複雑なものになるだろう。

大型発電所は国際連系線に電力を輸出し続けるだろうが、北部の風力発電(洋上・陸上の両方)による電力が西部および南部の消費地に届くよう整備しなおす必要がある。こうした送電線も電力取引に使用できるだろう。低・中電圧系統には、小規模分散型発電機、太陽光発電設備、コージェネレーション設備、家庭用風力発電機、小規模風力発電所などの接続が増えるが、特別に管理すればすべての確実な運用を図ることができるだろう。そして、系統のインテリジェント化が進むことだろう。

これまでのところ、系統整備は迅速に進展しているとは言えない。2012年後半の時点で、2015年までに完成させる必要がある総延長1,800kmの新しい送電線は、その9分の1しか完成していない。洋上風力発電所に接続する送電線は特に重要である。風力発電所が洋上に設置され、系統接続の準備ができていない場合、誰が金銭的な責任を負うのかは、しばらくの間はっきりしなかった。2012年夏、ドイツ政府は、風力発電投資家に系統運用者が補償する形で両者を歩み寄らせたが、費用は消費者に転嫁されるかもしれない。この歩み寄りが風力発電に2つの基準を設けた。小型陸上風力発電所は、最寄りの変電所までの接続費用を負担しなければならない上、変電所の能力を高める必要がありそれが適時に行われない場合は系統運用者からの補償はないのだ。そのため、伝統的に地域プロジェクトおよび中小企業によって推進されてきた陸上風力発電業界は、系統運用者が系統接続で優遇されているとして不満を抱いている。系統運用者は、小型陸上風力発電所に必ずしも好意的でないドイツ四大電力会社の旧子会社である。

2011年、ドイツ議会は送電系統整備迅速化法(NABEG)を通過させた。同法は、ドイツ連邦ネットワーク庁による超高圧送電線の検査、そして原則として高圧送電線(110キロボルト)の地下埋設化を要求している。さらに、計画の早い段階で市民参加と透明性を確保し、国民の支持を得ようとしている。2014年、2件の系統開発計画案は「連邦要求計画」策定の必要性を分析し、同計画は法制化されることになった。目標には、系統の拡張整備だけでなく、既存系統の改善や最適化も含まれる。たとえば、特殊な耐温度性の送電線を使用すれば、送電線を増やすことなく電力の輸送量を増やせる。温度モニタリングを実施すれば、風で送電線の温度が下がった場合に容量の上限近くまで使用できる。このようなときは一般に風力発電量も増える。