クリーンエネルギー政策

エコデザイン/ErP指令

もう一つの重要なエネルギー転換策であるエコデザイン指令は、環境パフォーマンスが最悪の製品を排除するための主要な規制手段である。この絶対不可欠な規制は、欧州全土で開始された。ドイツで送電網および発電所の新規需要を減らすための最も重要な手段の一つであり、エネルギー転換の極めて重要な部分である。

2005年のエコデザイン指令(2009年からエネルギー関連製品指令(ErP指令)と呼ばれる)は、ブリュッセルおよび欧州連合で芽生え、建物と自動車を除く製品のエネルギー効率を規制する。ErP指令は、多種多様な製品カテゴリーに対して最低基準を設定するだけでなく、一定の製品に対するライフサイクルアセスメントを検討し、環境への影響を明らかにして改善を図る方法を見つける。

2015年現在、消費者向け電子機器、冷蔵庫、冷凍庫、電気モーターなど11製品群がErP指令の対象になっている。指令はコンピューターやボイラーなどエネルギー自体を利用する製品だけでなく、窓やシャワーヘッドなどエネルギー消費に影響を及ぼす製品にも適用される。続いて、個々の製品に対する追加指令が策定・改定された。2020年までにEU域内の電力消費は、現状維持シナリオと比較して12%削減すると見込まれる。

エネルギーラベルの欧州基準もある。この「効率ラベル」は、情報不足に基づく市場の重大な失敗に対処する。消費者には、特定の機器を購入した場合、エネルギー消費にかかる費用について必要な情報がすぐに分からない。ErP指令はこうした状況を改善するために機能する。

このように、ErP指令が環境パフォーマンスの最も低い製品を排除するのに対し、エネルギーラベル制度は、消費者を最善の製品を購入するよう説得することにより、最高の効率レベルに対する需要を作り出す。

具体的な規制

おそらく最も効果的な対策は、待機時とオフモードの電力ロスの規制であった。待機中の電化製品は、消費者から見ると基本的にスイッチが切れた状態でも、数10 W程度の電力を消費している。たとえば、リモコンでスイッチを入れるテレビである。現在、ErP指令では電化製品の待機中の電力消費を1 W未満とすることが義務付けられており、将来的にこの量は0.5 Wまで引き下げられる予定である。消費者にとって悪い話ではない。最も有名な指令は住宅照明に関するもので、大部分の白熱電球の使用が禁止される。照明製品のラインナップは、白熱電球から蛍光灯やLED照明に変わった。

2020年までに白熱電球が段階的に廃止されると、欧州全土で39 TWhの省エネになり、旧式の石炭火力発電所6基分の発電量に相当する。さらに、電気モーターのエコデザイン規制により、2020年までに石炭火力発電所20基分に相当する135 TWhの削減がもたらされる。

その他の成功事例としては、掃除機の規制がある。研究では電力と清掃力には相関関係がないことが報告されている。そのため、2014年から最大出力を1,600 Wと規制し、2017年にはさらに規制を強化する。結果として、数カ月後には、市場の再編が極めて急速に進み、技術的に最適化されエネルギー効率を上げた掃除機がマーケットシェアを獲得している。

EUは共同市場における商品の自由貿易を重視しているため、上記のような効率に関する規則は欧州全域で規定されている。したがって、ErP指令はドイツを始めとするEU加盟国に直接適用される。

ErP指令はEUが定めた規制だが、エネルギー消費の削減によって発電所の整備や新規発電所建設の必要性を軽減するため、ドイツのエナギーヴェンデの極めて重要な部分である。