質問と回答

貧しい人々にも手の届くエネルギーを確保するためのドイツの施策は?

一般的にドイツは、生活可能な賃金が得られる仕事を提供することで、貧困者を保護することができる。そのため、エナギーヴェンデの主な目標の一つは、ドイツ企業による次世代技術の開発を促進することである。さらに、過去10年間の電力コストの上昇は、たとえば自動車燃料や灯油のコストの上昇よりも緩やかであったが、これは一つには自然エネルギーのおかげである。

エナギーヴェンデは、予想外に変動するエネルギー価格に対する解決策であって、長期的に見れば価格上昇の原因にはならない。従来型エネルギーの価格は上昇する一方だと見られる。2000年以降、ドイツでは無煙炭のコストが2倍以上になり、天然ガスのコストはほぼ3倍になった。

しかも、電気料金は2013年に3%上昇しただけで、ドイツの一般的なインフレ率の2%にかなり近い。また、2014年のドイツの電気料金はおおむね安定を保ち、インフレ調整もない。

対照的に、自然エネルギーのコストは、技術にもよるが、下がり続けるか、少なくとも横ばい状態になると見込まれる。太陽光発電のコストは、2010年から2015年にかけて50%低下し、米国エネルギー省の Transparent Cost Database によると、陸上風力発電はすでに天然ガス、石炭、原子力発電とほぼ同等である。ドイツのフラウンホーファーISE(太陽エネルギーシステム研究所)は、国内の太陽光発電のコストが、曇天の多いドイツでも、大体この10年以内に石炭火力発電と同じになると予想している。

エネルギー貧困という言葉が実際に何を意味するのかについて明確な定義はないが、その懸念は増えている。2012年春に、電力料金を払えないため電力供給を止められた生活保護受給者が増えているという報告が複数あったが、これは噂であり検証できないものだった。貧困家庭には、不要なエネルギー消費を削減するためのエネルギー監査がすでに提供されている。同時に、低所得世帯でもエネルギーにかかる費用は、所得の17%未満であることに留意すべきである(2014年)。したがって、適切な社会政策、退職金制度、賃金面から、貧困自体に直接取り組むことが極めて重要である。クリーン電力は、貧困国に大きな影響を及ぼす地球温暖化の緩和にも役立つだろう。換言すれば、ドイツの自然エネルギーへの取り組みは貧困国も援助することになる。

最後に、ドイツでは今までのところ「エネルギー貧困」に関する統計をとっていないため、電力料金を支払えない人数に関する報告は概算に基づき、しかも過去のデータとは比較できない。おそらく、料金を支払う余裕のない人の数は大幅に増加してはいない。ドイツはこうしたデータの収集を開始し、今後も継続して社会政策を活用することで貧困者を助ける必要がある。